2013年03月14日

なぜ、子どもは眠る前に大泣きする?

子どもが夜、ぐずぐずした後、

大泣きしてコロッと眠るのはなぜでしょう?



人間は

大脳が大きくなりすぎた動物です。

大脳の下にある脳幹の橋(きょう)という場所にある

スリープアクティブニューロンがスタートしても、

大脳が鎮静されない限り、眠れません。



私たちも日常的に

「興奮して眠れない」という言葉を使いますが、

実際にそう。

スリープアクティブニューロンは、起床時間からカウントして

活動しますが、眠る前にテレビを観ている子が

大脳を興奮させていたら、なかなか眠れません。



大脳が興奮しているときは交感神経が活発に

働いています。

皆さんは、昼は交感神経が優位で、

夜は副交感神経が優位になるという話を聞いたことが

あるかもしれません。



正確には、

夜には交感神経も副交感神経も働きが低下するのですが、

交感神経の方が低下率が高いので、

結果的に副交感神経が優位になります。



子どもは、この自律神経の活動を低下させること、

大脳の活動を鎮静させることの能力がまだ未熟です。



人間の脳は、「抑制(よくせい)」の方が

高いレベルの機能です。

それはそうですよね。動物だったころから、

闘うか逃げるかという反応が最優先にしないと

食われてしまうわけですからね。



子どもの脳の発達とは

「抑制」の発達です。

抑制が発達すると、神経が情報を伝えるときに

余分に枝分かれしたところの情報が混じらず、

(側方抑制と言って余分な道に情報が流れないように

抑制をかけながら進みます)

狙ったところにノイズの少ない明確な情報を届ける

ことができます。



FM回線のように。



この抑制機能が未発達の子どもが用いている

大脳を鎮静させる戦略が「泣く」という行為です。



泣くことによって、副腎皮質刺激ホルモンACTHを

涙をつかって排出します。

交感神経が低下したことで、

ようやくスリープアクティブニューロンが活躍できるわけです。



夜ぐずぐずされてしまうと、

親としてはげんなりしてしまいますよね。

さんざん、気持ちをとりなそうとした挙句に

大泣きされると、なんたる達成感のなさ・・・。



そんな気持ちになりますが、

子どもは子どもで、自分の脳の仕組みにしたがって

コントロールしているので、

大泣きしたら、「これでスッキリ眠れるかな」と

見守ってあげられるとよいですよね。

私もそうしてみます。



脳の仕組みが分かると、

日常の「なんでいつもそうなっちゃうんだろう」という

疑問がスッキリします。



スッキリすると、出来事を俯瞰して見られるので、

そんなにカリカリしないで済みますね。



「あなたの人生を変える睡眠の法則」

http://www.amazon.co.jp/dp/4426115272



子どもからお年寄りまで、

日本人でも外国の方でも、

すべての人の毎日を充実させるほんのちょっとの工夫を

医学的に「法則」としてまとめました。



ぜひ、お役立てください。




Posted by ActiveSleep at 08:46│Comments(0)
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